滅亡済み印欧祖語の適応放散と無効拡散/海里
 
印欧祖語は滅亡済みです
子々孫々のそれはこれからですが

船という言葉を持ち
どこか大きな湖か川か
とにかく海ではない水のほとりから

雪という言葉を持ち
白いものが舞う中を、覆う大地を出て

ことばたちヒトに乗り
乗り継ぎ
その土地に根付いたり
根付かなかったり
別の言葉たちに飲み込まれたり
飲み込んだり
隣り合って混ざったり染まったりしながら

メイエを驚かせ
ソシュールをうなずかせ
数多言語学者と素人たちに
誤解させたり誤解されたりしながら

ことばたち今も旅を続けています
彼らに彼らの馬のある限り
ヒトのいる限り
いつまでも変化し続けることで

戻る   Point(2)