カラフル/nm6
肯定し続けるために上塗ることのスウィーツ。
「傷つかないように」と、誰がいったセリフもそこだけ憶えている。
ネオンと雑踏と台風とをまとめきれない街、そしてその旨。遠いんだよ。近いんだよ。そのどちらでもないけれど、あそこの次の曲がり角には、秘密の隠し扉があるんだよ。海沿の錆び方をした集合住宅、写真の中にいる気分。で、ぼくは不自然だと知りながらつぶやいたり俯瞰したりずっと、続ける。ひとつめはグレーの空、ふたつめは鉄の郵便局、みっつめは禿頭の空き地、最後につぎはぎのアスファルト。あとはとにかく、圧倒的に圧倒的に。溢れているので、せきとめた。台風が笑い飛ばしてしまって、グレースケールがカラフルに見える。ニア・ヒア。雲、早い。
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