憧れて/靜ト
Aに憧れて
少し大きなことを言ったら
身の丈をわきまえろ、と言われてしまった
Aは感心されたのに
Bに憧れて
少し過激な冗談を言ったら
何をいうんだ、と言われてしまった
Bは笑って貰えたのに
Cに憧れて
少し我が儘を言ったら
空気を読みなよ、と言われてしまった
Cは可愛いと喜ばれたのに
Dに憧れて
少し暗い悩みを言ったら
なんか重いな、と言われてしまった
Dは同情されていたのに
私はAじゃない
私はBじゃない
私はCじゃない
私はDじゃない
滑稽だと人が笑った
けれども滑稽な人達は いつも必死で生きている
誰にもしられず 泣いてる
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