Falling Rain/寒雪
街に雨が降りしきる
人影もない寂れた風景を
ぼくは飽きもせず眺めてる
となりには
ぼくの彼女が
寝息を立てている
彼女の横顔は
とても穏やかで
つい
腕時計を描きたくなる
きみが欲しがる指輪
僕には与えてあげられない
きみが願っている幸福
僕には教えてあげられない
間断なく続く雨音が
ぼくの耳で
奇妙にねじれる
ねぇ
本当に欲しい物は
一体なに?
欲しい物を
ぼくは何一つ
手のひらに載せてあげられない
だから
ぼくのそばにいても
きみは欲求不満さ
彼女は
見えもしない「好き」を
ぼくに押し付けて
ぼくの目の前で
股を大きく広げる
ごめんよ
ぼくにはやっぱり
指輪なんてあげられない
止まない雨が
きれいな青空に変わるのは
いったいいつの日になるんだろう
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