ねむれたか あさまで/たりぽん(大理 奔)
 

ベットソファ
枕元のくずかごに
ティッシュを捨ててしまったので
熱射病気味のわたしは
ひと晩中、このかおりの
林をさまよう夢の中でした

不器用に明るい下草を踏みしめると
やわらかく沈み込む
五本の指が露に湿って
はじめて、午前五時四十三分のそらの
あの明るさだと気付くのです

コンビニのおにぎり棚は
捨ててしまった本棚のように空っぽで
満たすものは冷たく凍りつき
電気仕掛けのあしたが
今日と変換されます

靴底を張り替えた
それでも履き慣れた靴で
バス停に立つと
誰かの吸い殻を
つま先で蹴飛ばすのです

そろそろ不機嫌に
迎えに来るのでしょう



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