未明幻想/Giton
 
じきって
あからさまな白熱光源の回りを厳かに運行していた
その永遠は破られ じりじりと海から
這い上がって来る苔の種族によって破られ
きらびやかな神殿は錆びて崩れ落ち、溶け出しては沈澱し
神の大地を冒す硝酸の波打ち際から
柔らかな半透明のものが大地を覆い
たくさんの小さなものが覆い
壊されても壊されても自己増殖して覆い
自分らの間で絡み合ったり喰い合ったり
まことに、造物主も顔色を失なうほどの発展ぶりで
その委細の説明は、ダーウィニストたちに委せておくとして
とにもかくにも、こうして君とぼくとがいる
その熱さと、その至らなさのゆえに為すべきことを知らぬ
不安に押し潰されそうなふたりがいる
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(注)仮名遣いの変動は創作意図です。
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