七月/城瀬
 

じめじめとした六月が去って
じりじりとした七月が私を包み込む

天の川が二人を繋ぐ頃
私は静かに、夏の夜のどこか懐かしい空気に身を任せた

夏の大三角形を指で結んでみる
今年も織姫は彦星に会えたのだろうか
笹に結んだこの小さな願いは
あの星に届いているのだろうか

大きな白鳥が七月の夜空を渡っていく
翼を広げて、ゆっくりと
人々の願いを拾い集めながら
あの海の向こうまで

そうしてやがて朝になる
涼しくて柔らかい、朝になる
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