おかえり/朧月
 
泣きたいから泣く
を繰り返していた私に
届いた 一通の手紙
そう あなたからの手紙

私の細く縮んだ目は
ひらいて
手紙をみて想う
ああ やっとあなただと

あけられない とおもう
あなたの言葉が
私の明日をも壊してしまうと
おもった

ぽつり ぽかり と
明かりをともして
ぼうっと座った 私は
もう 泣けない

ぽんぽんと言葉も
かりかりと 爪あとも
どんな私のしぐさも
もう あなたは みてないから

仕方ないって口癖
だったあなたのことを
泣いては想ってた私
もう 立たないといけない

がんと あかりつける
どんと ドリンクおく
ばしゃっと 手紙あけた
あなたの
見慣れた文字を
しっかりみた

かえるよ
と 書いていた


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