さよならバンビツアー/さわ田マヨネ
 

場も場なのか
なぜだか絶対に口にだせなかった

僕たちの住む街にバスが着き
駅で友達とさようならをしたとき
まるで意味のない違和感を憶えた
近所まで向かうバスに乗ると
楽しかったと感じた
今も温泉は湧き
おばばたちは湯もみして
ありがとうバンビツアーなんて思った
また別のおばばとバスに乗りあわせていることに気づいた
のどかな帰り道だった
はじめてお気に入りの友達をなつかしくおもった
まだわかぞうの僕としては
バンビツアーに行かせてくれたお母さんには
たくさんの会話を交わすスキルが身につく頃には
肩でももんであげようと
とりあえず思っている

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