機械の定義/葉leaf
裏切りというものは強すぎて熱すぎる光のようなものだと彼女は感じた。裏切りの光によって切り裂かれた後、その傷にはどうしようもなく重くて硬くて冷たい或る物質がまとわりついて、複雑に気まぐれに傷を啜り続けるのだった。あの娘が私の悪口を言うなんて。親友だと信じてたのに。その友人と初めて会ったときの互いに硬直した物質的なやり取りや、その友人とともに買い物に行った帰りの夕陽に友情の生育する結合色を見てとったこと、その友人の物理的に存在していないかのように思えるほど彼女の内部を潤す眼差し、それらすべてが、今彼女の全存在が圧縮されている前線に、一瞬間として、さざめき煌めき白んでいった。
彼女はCDをセットす
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