嘘は命の/真島正人
を
内面から
別の肉体へと再構築する
それが歌なのだと
それを信じていないと
この
24歳になって
会社の休日はすべて
バンドの練習だなどと
そんな生活は
続けられるかと
彼の
若さとはまた
違う部分に
ひそみ
燃え続ける
かわいそうなほむらは
その瞬間確かに
僕の瞳に
「鼓舞」として
ただの寂しい「鼓舞」
として
映った
夕陽の中で
田園が
ぽつんと
空を仰いでいるような
そんなものを見たような
気がした
やがて
幾組か
素人たちによる
バンドの演奏が終わり
同じ素人で
でも
経験だけは
程長い僕の
少し若い友
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