「きれいな空があることを」/ベンジャミン
 
きれいな空があるって知っていても
それをいつも忘れている気がする

空が街に沈んで街が空に昇り
そうやって今日が終わろうとするとき

おだやかに眠るための記憶が
きりりとした感情を鎮めるほどにならない

もっとたくさんの良いことが
もっと近くにあっていいと思うのは

きっとそれだけしか感じられない
ちっぽけな自分のせいなのだと思いながら

そしてそんな空を見上げることを
忘れてしまっていることに気づかずにいる

きれいな空だけじゃないことも知っている
それを受け止めることに懸命になりすぎて

ほんの小さなことを
小さく受け止めることしかできない

だからこそ
きれいな空があるってことを

こうやって言葉に残しておきたい
忘れないための記憶にするために
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