それは、うす紫に輝く/草野大悟
　
あくまでも白いふたつの結晶。
もういちど言う。
見分ける時は、満月の夜でなければならない。
　　蟻を走らせるでもない
　　なめてみるでもない
　　外形的に分かる
けど、それではおもしろくない。
形而上学的にも、形而下学的にも、二つの皿の差異は、証明を拒否している。

もう、いいだろう、そろそろ答えをだそう。
アメリカ属国日本で教育されてきたあなたたちが大好きな「正解」を。

紫外線を当てるんだ。
静かに、ひんやりと。
紫外線を当てるんだ
満月の夜に。

ふたつの皿のひとつは、あくまで白く、そして残りのひとつは
うす紫に輝くのだ。
それが砂糖だ。
あなたたちの望む「正解」のデッサンだ。

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