Magic/umineko
ど。それでも聞いてみたいのだ。人生の最終コーナーで、マジシャンを目指した彼の真意は何だったのか。そのくらい伝授するのが、先人としての努めなのではないだろうか。
友達も増えました。心を許せる友もいる。父は他界したが、母はまだ健在で、なんやかやと私にからんでくる。
だが。それでも孤独なのだ。私はそれを自覚している。私のアプローチが、どこかゆがんでいるのだろう。マジシャンが、決して種明かしをしないみたいに、私は器用に両手を開く。
嘘もなければ幻もない。貴方は私を救えない。
私は今日も私を騙す。明日を生きていくために。
幸せだったり。孤独だったり。
貴方は私を救えない。
戻る 編 削 Point(19)