宇宙のものまね(2)/吉岡ペペロ
 
だと思ったら泣いていた
ふたりとも泣いていた
ヨシミにはそれは見えなかった
カワバタが雨上がりのような顔をして宙を見ていた
そうやってなみだをこらえていた
それは明日晴れるかなと空を見ているようでもあった

生理のお話しなんかじゃくやしかった
これも自然界のお話しなの?
自然のお話しなの、シンゴとヨシミはちがうと思ってた、
そう吐き出すように言ってヨシミはカワバタのまえでこそ実は普段のじぶんではなかったのかも知れないと思った
じゃあなにを飾っていたのだろう
カワバタはいまどこにいるのだろう
うしろにいるんだ
この距離はきっとなにかに似ていると思った
ヨシミは記憶をさが
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