宇宙のものまね(1)/吉岡ペペロ
こっちのひとに聞いてもイマイチなんですよ、ぼくの地元にもちいさな滝があるんですが、意外と関心ないんですよね、地元のひとって、
サヤマが滝の話をはじめた
地図を書きましょうか、と言うサヤマにカワバタは、いいです、と断った
暑さからではない眩暈がした
サヤマもオレも転生してこんなところにいるような気がした
いや、そう思いこもうと努力していたんだ、
そのときヨシミが最愛だと分かった、と言った
童貞みたいなもんだな、オレ、
ヨシミはあの滝にお母さんやサヤマと一緒にいかなくてよかったと思った
カワバタとふたりでよかった
じぶんの万華鏡のこころが放射に伸びていた
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