夜になると/草野春心
 


  夜になると
  忘れていたものが僕の
  心を重くする



  夜になると
  僕たちはせっせと産みを始める
  明日はどうせやって来て
  握り潰してしまうのに
 


  それでも夜になると
  君のポケットのなかで
  ちいさな螢が輝きはじめ
  なんでもいいから生きていようと
  僕は思ってしまう





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