For My Youth /真島正人
 
あの
つらかった
あの頃
唯一つ二つの
悦びとして
隠れるように
買いあさった雑誌よ
今やそれらが
違う形の
脚光を浴び
私は寂しく
阻害された
遠く隔てられた
あの純粋な悦び
願求が
叫びごえをあげ
咆哮し
しかしそれは私の内なる
追随で
終わらせて
しかるべきなのだ
常に
歴史のページは
このようにして
私を
置き去りにして
私を周辺に
捨て置いて
はばからない
私の愛した
あの紙面はどこだ?
ここにあり
私の濁った瞳を
嘲笑し
私の嫌うあの
大きなものに
取り込まれ
私をさげすんで
暇がない

あぁしかし
そこに描かれ
そこに代表される
あの
夏の匂い
特殊な
独特な
性感帯
柔らかな部分を
さして暇もない
あの
特殊な構築
建築のごとき
美術が
私にとって
大切であり
それが万人の前で
受け皿であることに
私は
なす術もない

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