3月/番田 
 
何ひとつ語らずに生きている毎日にため息を吐きかけさせられている窓の外に枝が揺れていて、何も語らずに流れていく日常だけがぼんやりと流れていくような気のした合格発表をする直前の門の手前の私は疲れ切っていたけれど、自動車のタイヤにアスファルトを切られていく、教師として生きていくのは辛いけれど、やるべきことは山ほどあるうえ最近鬱病になっていて、やるべき事は山ほどあったけれど書類の前で駄目になりそうになり、白い紙だけが目の前にどこまでも連なっているように思える私は疲れていたけれどもスーツの色の少し色あせてゆらいでいる、あれを買ったのはもう随分と昔のことだったがよくは覚えていないうえ覚えているのはスーツを買ったことだけとは、どうなっているのだろう、それにまあ、やめた私は生徒になったのだけれども。
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