曖昧なイーミック/海里
 
現代詩は難しい
まず発音が難しい
ローマ字で書くとge・n・da・i・shi
軟口蓋破裂音だったり歯茎破裂音だったり摩擦音だったり
口に出すからには覚悟がいる
語末の[si]っていうとこまで
無声化せずにしっかり力んでると思うし
でもだからこそ挑戦「し」甲斐もあるのだろうね
音素に無限の異音があって
差別化も容易い

比べてポエムは簡単だ
[poem]のpもmも両唇音
つまり口を開けて閉じるだけだ
世界中の言語のパパ、ママと同じだ
同じ
だけれどもかつて呼気には魔力があって
吐く息は生命力そのものだと信じられてもいた
縦笛や横笛の演奏が呪術だった時代もあるし
[poem]もアルファにしてオメガ
聖なる音オームの眷属
なんちゃってウソだけどね

じゃぁ「詩」はどうなのかって?
いい質問だ

詩はね、しーっだ
静かに耳を澄ませる合図
ささやくためのさしすせそ
素材を活かした料理をするとき
使う調味料の順番だ
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