朝食/はるな
 

あなたがいま
涙して崇拝する「真実」が
あるひとにとっては
毎朝やってくる避けがたい「現実」で
またあるひとにとっては
真実であり現実であるところの「絶望」であるが
その絶望に「実」はなく
固い床の上で立ちすくむのみである

あらゆる意味においての「存在」は
べつの「存在」を押しのけて
その分の「空間」を得るわけだが
この空間を有限あるいは無限に(便宜上)意味付けることを
忘れてはならない

わたしたちは
生きることを疑うべきではない
先生方、
それでも彼の朝は
いつも物理的な「残酷」が起こしにきて
現実と真理を両手に持って
ひだり斜め上から見ているのだ
そしてなぜか、
わたしたちは
人を疑うべきだとは
教えられなかったのだ


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