ランナー/秋也
 
走って
走って
走りまくったから
子供のころ噛み砕いた布きれみたいに
宝物だった
遊んで
転んで
つくった生傷
いつだって戻りたくて戻れない
今があるから
俺がいて
君がある
膝小僧のすり傷は勲章で
初恋の子はいつまでも笑顔で
どんなボロくなっても
笑う度に
輝いている
絶対に違わない
何一つ違わないから

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