我が死亡直前期/キタノ
突然、コンクリートの地面から茨の蔦が伸びて、僕はその鋭いトゲに突き刺されて血を流した。標識の白い鉄柱と反対側の植え込みの葉っぱが僕の潜血を大量に浴びて、退屈な街並みに真っ赤な華を添えた。茨のトゲは水道の蛇口のように太く硬い根元に、先端はコンパスの針みたいに鋭く尖っていて、なおかつ丈夫であり、ギザギザの返しがついていたため抜くことなどできようもない。それがいくつも、僕の体のあちらこちらに深々と刺さった。僕の勃起していた陰茎の、円筒の中心も貫いていた。そこに溜まっていた血液は全て噴出して失われてしまい、僕の陰茎は二度と勃つことができなくなった。同時に、僕は心臓を貫かれて、そこから血液が流れ出る分だけ、
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