ふるいうた/ぽこぽこへッへ
六月も終わりそうで
肺の中でもぞもぞ動く、痺れ
強気でいて寂しげで
怯えていて
この世のすべてのことを語り尽くしたとしても
現実を考えろ
この今はどこかでぷっつりと、いや
曖昧な揺らぎを描きながら消える
若い魚のような愛食う猫のカップル
ボールペン字から滲み浮き出てくる過去の記憶
それを書いているときの彼女の心境の感触が
そこにまだ
そこからまだ、立ち昇っているのなら
彼女の指の温度がそこにあった
どんな匂いがするのだろうか
罰当たりな烏、目に灯らせ
震える指でなぞる、埃被ったベクトル
今、ようやく舵がとられる
木製の温熱(ふね)
生温かい涙(かぜ)が
頬(うみ)を伝わって冷めていく様子が
愛の排せつ物
実体無い感情の具象化の過程
ラーミアの翼に乗っかって
島(うた)はミルクに熔けるチョコレートケーキみたいに
崩れて消えた
崩れて消えた
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