同人/
紅糸
なんだろう
似ているきみがいたのに
ぼくはびっくりしている
もしも前世というものがあるのなら
たぶん兄妹だったのかもしれないね
線路ぎわのトタンのバラックがぼくの家でした
毎日が地震のような日々でした
朝から晩まで
ひっきりなしに電車が通る
そんな家でした
勉強もできない家でした
でもね
灰色な空もぼくにはとても美しくて
とても美しくて
思い出せば
なみだが流れてくる
逢うこともないきみの寝息が聞こえるようだ
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