銃を保管する/Oz
 
ウチの納屋には
銃がある
祖父が戦地からそのまま持って帰った
いわゆる「勲章」だ
ただ僕はそれを見たことがない
祖父も二度と見たくは無いそうだ
ただそれは
かつての悪夢と共に
今ココに在ることを
逆説的に実感するためだけに
納屋の底で眠っている
恐らく
今はもう錆びて使い物には
ならないのだろう

僕はそれを見たいと思わない
欲しいとも思わない
撃ちたいとも思わない
しかし、
夢に見る
夢の中で僕は
念入りに銃を手入れしている
磨きあげられた銃身には
満面の笑みの僕が写る

「銃を撃つ」
「殺す」
「破壊する」
連鎖的に
関連した「言葉」が
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