とうとう聖痕を得てしまった僕の友達について/真島正人
{引用=
君の調子がどうだか
気にならないし
君の虚偽が
いくつずつ
世界の果てに通信されていくのか
知りたくもないよ
この世は
通信教育なんかじゃない
僕は昨日
大型書店の
人文科のコーナーにいたし
一ヶ月前は
図書館の
科学のコーナーにいたのさ
そんな静かな場所から
雨漏りを見つめている
雨漏りは
目に見えないって君は言っていたけど
それは嘘だなってとうとう気づいたよ
雨漏りは
雨漏りとして
見る必要がない
君が虚偽を気にするわりには
それを信頼していること
そのことを
当てはめて
解を求めればよかったんだ
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