とうとう聖痕を得てしまった僕の友達について/真島正人
 
{引用=


君の調子がどうだか
気にならないし
君の虚偽が
いくつずつ
世界の果てに通信されていくのか
知りたくもないよ
この世は
通信教育なんかじゃない

僕は昨日
大型書店の
人文科のコーナーにいたし
一ヶ月前は
図書館の
科学のコーナーにいたのさ

そんな静かな場所から
雨漏りを見つめている

雨漏りは
目に見えないって君は言っていたけど
それは嘘だなってとうとう気づいたよ

雨漏りは
雨漏りとして
見る必要がない

君が虚偽を気にするわりには
それを信頼していること
そのことを

当てはめて
解を求めればよかったんだ
[次のページ]
戻る   Point(6)