女優/森の猫
15の時 演劇をやりたかった
が 部の雰囲気が悪く
音楽系の文化部に入った
戯曲”ロミオとジュリエット”に
あこがれていたから
その希望のままに
今も あたしは
生きている気がする
そう 演じている
毎日を
無邪気な妻として
子供を一生懸命育てる
演技
母としてのPTAでの
演技
真面目な障害を持つ息子の
母としての
演技
その証として
今までずっと ずっと
自分さがしの旅を
続けているから
子供が小さい時は
いくつもの通信教育教材を取り寄せ
深夜に勉強
子供を背負い 書を書く
近くの図書館に通い詰
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