喫茶クラムボン/海里
喫茶クラムボンは
小さな谷川の水底にあります
室内の照明はもちろん幻燈
ではなくって
窓からの水明かりだけですが同じ青です
マスターご自慢の
かぷかぷカプチーノは350円
代々のマスターが
かぷかぷ笑いながら淹れてくれています
夕焼け雲の色をした
クラウドベリーのパイも350円
北極圏の草イチゴはさすがに輸入ですが
渡り鳥から習ったレシピで手作りです
水の外では
ニンゲンたちがマスターの正体を研究中
作品「やまなし」におけるクラムボンとは何者か
どっかいといいます
どっかいっちゃいそうです
やまなしのリキュールは
マスターだけの秘密の愉しみで
さわがにのお父さんだけがその存在を知っています
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