約束の絆/速水 康
 
何故か月を見るとそっと思い出す
彼と交わした数々の約束
遠い未来の夢の欠片も輝いたあの瞬間

どこかで震えていた心の中の自分が
寂しさを忘れて微笑んだ
あの時を思い出すと切なさと儚さで胸が痛む

どこか矛盾しているようで

そんな無邪気さが一段と温かくて

約束はセンチメンタルな感情を呼び起こして

そっとまた心の中で愛情を深めていく
そんな約束は もっとも笑顔でもっとも寂しそうだった
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