人工水晶体/
吉岡ペペロ
乱暴に脱がす手
手に刻まれた三日月が
赤紫に腫れていた
いつもは白い月なのに
哀しい目をしてのぞきこむ
水晶体に光景が////
湿った砂山
ふもとから
少しずつ掘ってゆく
手を圧迫する
肉のようなものが
肉であるのか
乱暴に脱がす手
手に刻まれた三日月が
赤紫に腫れていた
いつもは白い月なのに
哀しい目をしてのぞきこむ
水晶体に光景が////
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