日の暮れに/蒲生万寿
 
駅前のベンチに腰掛けていたら

左足の潰れた鳩が寄って来て

餌をねだり辺りをちょこちょこ歩く

気の毒だが私はお前にあげる餌を持っていないのだよ

あげたい気持ちが無い訳ではないが

何も餌になるものは無いのだよ

秋の夕日は私の影を遠くへと伸ばし

その影に鳩の影も重なる

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