果てに/マナ
茫漠
すぎてゆくなかでの空気との距離が春をかえ
目をほそめるかれさえも浮遊されていた
宵に浸かってゆく丘に、しずかにおちる(あなたと)星が、
ぼくはまぶたをあけても見えなくて、
てのひらで感じることも夢をみることしかできないのでした
かぜをきって泳ぐくろいかみの
うつくしさにもただ余白を空けるにしかいられない
こんなままならば、そして、あの、大きな惑星に、ぼくは小さくねがうのです
雪と花の余韻がのこっている
まだおもいだせる
違うすがたでもよいのなら
それでもかまわないので、まだ まだ と
この先だなんて口にしたかのじょをうらんで、
離れられないでいる
あのとき落ちたぼくのことばはどこにきえたのだろう
5秒間
駅のホームの隅にでも落ちていたら、と、そんなことをおもっていた
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