夜と姫/
木立 悟
まま
明るい息をつないでいる
姫の泡 姫の泡
流れは流れに流れては
空を頂にも底にもする
銀は銀を去る
かけらさえ振り向かぬ
標は水に蝕されて
路という字を避ける羽
陰に群れ 陰に群れ
緑に川に 非に群れる
姫は変わらず姫の光で
生まれつづける鬼を照らす
あなたはあなた以外ではないのだから
骨の火の穂を水平に 自らへ自らへ向けるのだから
暗い風 わずかにかがやき
鳥の声
雨やどりの星
うたい見つめ うたいつづける
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