悲しい音/吉岡ペペロ
ないじぶんをカワバタに伝えたかった
あのときたしか救急車の音がして、そとの群青に赤がながれて・・・・
ヨシミも蛇つかいジュースの虜になってきたね、
嬉しそうにお菓子をつまみながらユキオもじぶんの蛇つかいジュースを飲んでいる
ホテルにはいってテレビをつけないときはそういうことだろう
ヨシミはユキオに脱がせてと言いそのまま寄り添ってきたユキオを制した
ユキオが苦笑してとなりのベッドに倒れこんだ
ヨシミは蛇つかいジュースをひとくちふくんで、飲みこまずに口を閉じた
やはり笛の音はきこえてこなかった
貧乏揺すりのような感じでユキオが足をばたつかせている
ヨシミにはそれが、音のしない笛の音のようにきこえた
戻る 編 削 Point(7)