悲しい音/吉岡ペペロ
ンかけたのヨシミだろ、
にごった目でお母さんがにらむ
お父さんがちらっと見てタバコを消し一階におりていった
お風呂はいったら、
姉がそう言うと
おまえはいい子だねえ、
お母さんが冷蔵庫からなにかをだす音がした
食卓にすわってコップにお茶を注いでいた
そろそろ帰ろうか、ユキオがヨシミをのぞいた
出玉を積み重ねたひとがまばらにいるだけだった
いちぶをお菓子の景品にかえてあとは貯玉にした
ホテルまでをぷらぷらと歩いていた
欠けた月がまるで町に住んでいるように見えた
カワバタはいまタイにいる
タイはいまなん時なんだろう
ヨシミはよろけそうになってユキオ
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