シーター/
わだち彩子
切り開いて見つけてほしい
こんなふうにあなたの実弾は留まりつづけるから
どれほど錆びついていたって、つめたいお腹のなかで、あなたの目に似た黒色の銃弾はまだ、死なないという容赦さで、さよならをいつまでもやわらかくしている。
思い出さぬまま
忘れもせずに
はがれおちてゆく鉄錆はつやつやと鮮やかな心臓を呪うしかない
「若さだけが正しかった」と
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