レイトショーを終えて/
わだち彩子
わたしはきみがくれた弾丸を心臓にたずさえて
世界中の酸素をたべつくしてゆくし
きみはわたしの唾液をひよわな胃袋にゆらしながらどこまでもいくだろう
ふたりの死体にかぶせる布はない
ついばんだ花の脈拍
背くらべの寝室
かなしい歌しかうたわない
かなぐり捨ててきた白さが延々として
もうわたしの足跡すら殺そうとしている
思い出にもならないことばかりがうつくしくみえるじゃない?
はじめから育てるしかないんだね
わたしはいまからどこへいこう
戻る
編
削
Point
(1)