二十億光年の孤独を笑う/しゅう
 
り注ぐ孤独を飲み干している
二十億光年の先にいる君に
おれは何を返すことができるだろうか

未完成な感情
振り上げる拳
振り下ろす歴史の線を引くペンに
星よりも時間よりも重い意思を乗せる

閉じた雲を両手でこじ開けて叫ぶ
不確かな足下が崩れ落ちるほどに
荒れる波にさらわれる存在の光よ
祈りよ、命を貫いて走れ
稲妻は無限に人を撃つだろうが
網膜は未来にプリズムを伝える
手をつなぐものの無い孤独の闇の中で
目をつむれば確かに温度を感じる

砕け散った永遠が空を飾る夜に
渡り鳥が海を越えてやがて帰るように
二十億光年の先にいる君よ
おれの投げた光と
君の投げた光の
すれ違う孤独の笑い声を聞けよ

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