見送りの手/朧月
あなたは穏やかな顔で
小さな決断を秘めて
歩いていった
常識という言葉で
くくられることに
理解できないと
泣いたあなたが
言葉にはきこえる以外に
意味があるのだと
それをあてなければならないのだと
わかりはしない正解に泣き
間違うことに怯えたあなた
教える術をもたない私は
自分の怒りさえあなたに背負わせて
決意にかえて あなたが立つとき
許されてしまう 私のことも
あなたが見つめる
先に今日も
悲しいなにかが 覆いかぶされば
私に伝えて ほしいと願う
一緒に泣こうね
今日も思う
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