千桜/黒木みーあ
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俯いていた顔を、窓の方へ向ける。たぶん、うちの親あたしのこと産んだの後悔してるんだよね。と、千桜はベッドの上で足をぶらぶらさせながら、けだるそうに語尾を伸ばして呟いた。
「最近、さ、変な季節多いよね。今日なんて、雨とか言ってたくせに、めっちゃ晴れやん。うちの母親、朝雨降るから傘もっていけってうるさくてさ、仕方ないからうっさいなとか言いながら傘持ってってさ、結局これよ。さっきの、見たでしょ。申し訳なさそうにあたしに謝るの。で、こんな娘とか、絶対、ほしくないよね。って、今なんとなく思ったんだけど、さ。」
( ぶらぶらしていた両足が、たまに勢いをつけたりしながら、ベッドの
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