小鳥とカラス/吉岡ペペロ
 
の生理のお話しだ、

遠いなだらかなのぼりおりの多い街道を走っていた

よくさ、感動って、感じて動くとか言うじゃない、あんなのウソだよ、レ点があるよ、動いて感じる、これがほんとだよ、

ヨシミはカワバタの言葉を頭の中でくりかえした
動いて感じる、動いて感じる、それはヨシミじしんのお話しだと思った

それ、シンゴとヨシミみたいだね、

みんなそうだよ、

バーガーショップに車をとめてカワバタにポリタンクを持ってもらってヨシミはお母さんの家にカワバタを先導した
雲色に力をうしなって午前中ほどのまぶしさは失われていた
この町にも影はなかった
ヨシミはじぶんの足もとも確認しカワバタの足もとを見やった
それをカワバタに言おうとしてやめた
カワバタが嬉しそうな顔をして重たいポリタンクを両手にさげて歩いていた





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