真夜中の牛乳/________
 
ひかりを探した
冷蔵庫の明かりがまぶしい
青、白、草原でそっぽ向いた牛のしっぽ、とんがり屋根、成分無調整、注ぎ口、3.6



コップに半分ついで
冷蔵庫の扉を閉じたら
秩序を感じた、そういう音がした

ソファでひざをかかえて
すこうしずつ飲む

たばこみたいに
お酒みたいに
たいせつに飲んだら
同じだけ、すこうしずつの涙がでてくる

ぱた、ぱた、と
パジャマに涙が吸い込まれる
静かに呼吸して
声を出さず
じっとしていた
助かりたくて



真夜中の牛乳だけがわたしにやさしい



窓の向こう、
マンションの階段の明かり
信号機の移
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