天秤/真島正人
ろくに足も
使えない奴
お前の語る
自由に
何の意味がある
優しさを
振りまくふりをする
その瞳
お前の
その瞳に
悪魔の宿るのを見た
柳の木の下で
羊の群れを刈り取り
小動物の
舌を切り刻んで
悔いも悲しみもない
腐りきった性根
あふれ出る愛液
蜂蜜のように
甘美だ
昨日から
取り寄せておいた
鏡細工を武装して蜂起
一年が経ち
お前の苦境を知る
ここからは
歌を歌うしかない
処置だ
※
氷の心が
必要なのだ
氷山の一角を
剥いでしまうために
だれかれ
かまわず
言説を
引き出す力を
得るために
引力により
助けられたプシケー
淫売の
許されたその先
未来は開かれて明るい
ならば
泳ぎきらないほうが
損だ
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