一点の波/Oz
 
波止場から
海のある一点を眺める
船が押し詰められた
その狭量な世界では
波は波と頻繁に衝突し
あまりに不均衡なリズムを
生み出している

それはまるで
雑多な情報により
混乱を来した
思考のようで
僕をひどく
居心地悪くさせる

脳内は固くなり
紡むがれる記憶は
一つの情報となって
混沌を生み出す
核と成す

そんな時は
全体を見渡せばいい
ソコには
漠然とした
海がある
それは理解の枠を越え
雄大な存在のみで
思考の揺らぎを
終息させる

海原を船が行く
誰かに
何かを知らせるように
ボーッと
汽笛が鳴らされた
僕はそれを聞いた
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