くそでも食らえ/salco
降りたら焚火を起こして野営
月煌煌と
脚の間に置いて、君の頭の天辺をぽんぽこ叩く
それから寝る時は
敷いた毛布の枕辺に移して
儚い銀河よろしく流れる煙の向こうに星を仰ぎ
寝たばこ
かつて目ん玉が嵌っていた所へ灰をちょんちょん落とす
月と星々は私の友達だった 徹頭徹尾
地面と影なんかより空の実在が昵懇だった
それに比べたら君を一度でも愛したと言えるのか
不出来な私と不出来な君の交合なんて蟻の糞でもない
それでもさ
君が吐いた声や言葉を思い出すよりも
その時は毛脛を想って涙が出るだろう
君の野太いペニスがくれた親切よりも
その時は歯軋りの音を懐かしむのだろう
供与、共有
は空しい言葉 幻想だ
凭れ合いの実相は共食いでしかない
あんたらの子守なんか御免だね
自分にもそう言い続けて来た
宇宙は余りに広大だよ ねえ?
人生なんてあっという間に終わるのさ
私のおっぱいの湖も、もうじき干上がるよ
既に半透明
昔は樹でも生えればと考えたけど
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