詩について語る/非在の虹
 
 ぶつぶつ言う声が
    聞こえる
詩ついて語っているのだ
             明け方 
        人々は見るだろう 
    糸のように細い下弦の月を
その下で 
    酒宴をひらく 胸をひらく 
     足をひらく 開かざるところを
 はなばなしくひらく
さかずきが飛びかい じょじょに視界は拡がる 

   有情の声 そのかそけき声のあとに
      はげしい嘔吐のけはい
ひとりひとりの吐瀉物が足もとにあふれ
あふれかえった吐瀉物は墓穴に流れ込む
とうとうと流れ込んだそのあとは
                コソとの音もしない
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