後悔/朧月
 
笑いながら蹴っている
同じ学生服の生徒を
消えそうな顔を歪める君の
すぐそばを通り過ぎる大人は
目の端で全部とらえていた

僕らいつもこんな風なんです
といいそうなずるい笑顔に
言葉をだせないのに
僕はうたを探してる

その年頃の僕はどんな風に
その道を切り抜けていたんだろう
蹴ることも蹴られることも
忘れた足は止まる

なにかをうたうことの意味を
目の前で実現させずに
なにも作り出さないうただけを
僕はうたっていいのか

震える手と釘付けの目だけ
忙しく動かしてるけど
君の明日がまだ続くことを
祈る気持ちでみていた
ただ僕はみていた


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