「おわり」/猫のひたい撫でるたま子
 
夜中にふと、会いたくなるのはあなたじゃない

あなただったけど、あなたじゃない

枯れた薔薇を絵の具で紅く塗る

かさかさという音がする


花火の音がきこえて窓を見つめた

ライターの着火音だった


あなたとみた全ての景色を写真に残してゆくように

音の合図で「おわり」と記憶した

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