ゆるやかに/大覚アキラ
 
仕事と仕事の間の
エアポケットのような
30分間

中崎町と天六の真ん中あたりの
こじんまりとしたおしゃれなカフェで
居心地の悪さを背負いながら
コーヒーを飲む
午後2時

この街は
昼と夜で
流れている空気が違うので
呼吸の仕方にも
昼と夜で
ちょっとした工夫が必要だ

なのに
この街の昼の空気に慣れていないおれは
コーヒーを飲みながら
むせてしまったりする

よく行ったあのカウンターだけの店も
随分雰囲気が変わって
いまはもう
前を通るだけになってしまった

そもそも
あの人と一緒でなければ
あの店に行く意味もないので
たまにしか足を
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